EMIは東芝時代にCCCDを大量生産したよね

ゼロ年代、製作現場ではなにがおこっていたか?

一概にデジタル録音と言っても、作業時のサンプリング周波数、ビット数等によって意味合いが変わってきます。
浮動小数点演算は高いヘッドルームを実現しましたし、高サンプリングレートでの録音の質はアナログに肉薄するほどです。
90年代から00年代にかけてデジタル録音は目覚ましく進化しました。
DSP縛りのMacでPro Toolsな時代はもう終焉を迎えているのです。
「Pro Toolsはねー…」なんて知ったか顔で語るおっさんはたくさんいますが、Pro Toolsだって常に進化しているし、それをどうして全部一緒くたにして語れるのでしょうか。
どのバージョン?どのio?作業場所はどこなの?
そもそもデータも用意せずに”音質”に貴賎付けてうんぬん語るのはナンセンス。
どこまでいっても価値観の押し付けに過ぎませんからね。
でもまあ、後半に語られてる”音圧戦争”の醜さについては同意です。
それらが音楽に対して与えた損失は計り知れないと思います。
必要以上に圧縮し、歪ませちゃう訳ですから。
僕も仕事でミックスからマスタリングまでやりますが、「とにかく音をでかく」という注文が来ない日はほとんどありません。
ただでさえ最終的に泣く泣く16bit/44.1KHというCDフォーマットに圧縮しなければならないのに(録音・ミックス時はそれよりも高音質)、さらにダイナミクスを圧縮しろって?
マジですか?
そんな毎日の中、僕は悟りました。
こりゃあCDが売れないわけだ、と。
シャカシャカドカドカ、シャカシャカドカドカ。
ダイナミズムも何も無い、無感情なぺったんこの波形。
3人でジャカジャカやってるだけの音楽も、波形がぺったんこになるまでリミッターをあてれば、音数やアンサンブルでそれを実現しているバンドと同じだけの音の飽和感が得られます。
つまり彼らの音楽はリミッター頼りの音楽なわけです。
これのどこが芸術なんでしょうか?
ほぼホワイトノイズ。
これじゃあ、mp3だろうがなんだろうが一緒ですもんね。
CDである必要が無いんです。
聴く楽しみ?
このノイズのどこに音楽的趣向が?
それぞれの価値なんて付加価値にしかそれを見出せません。
それを許容してきたのはプロデューサー、マネージャー、それに付き従うミュージシャン、です。
音楽を売り物としてしか捉えてこなかった人達です。
そんな音楽モドキを聴いて育ってきた子供たちは、音に対する教養を何一つ持たずに大人になります。
リスナーである彼らの耳は節穴なので、一曲の音楽に関し、それぞれの楽器の響きや演奏技術、感情の移り変わりは彼らにとって興味の対象外なのです。
ある程度の気持ちいい音圧と、肩書きという名の付加価値さえあれば他には何も要らないんですね。
ライブですら彼らにとってはファンサービスの一環でしかないです。
それが音楽の本質であるべきなのに!!
フジロックの物販売り場を見てみてください。
彼らはTシャツを買うために2時間3時間並ぶんです。
すぐ隣に、生の音楽が、その場限りの奇跡が存在するというのに。
たかがバンドのロゴが印刷されただけのシャツの方が彼らにとっては大事なのです。
音楽をやる側としてはとても残念な結果です。
「特典つけないとCDが売れない!」と嘆くレコード屋に未来はあるのか?
プレーヤーのオートゲイン機能は音圧戦争にストップをかけられるのか?
あ、そうそう、リミッターといえば。
ビートルズのリマスター、音パッキパキ過ぎな事ないですか?
解像度が良くなるのは良いんですけど、なぜこんなにもリミッターをあてたんですかね?
RMS値を新旧譜で比べると差は歴然です。
オリジナルの音源に聴きなれてる、ってのもありますが、今回のリマスター、長時間聴いてると疲れる気がします。
確かによく聴こえるんですよ、各楽器の音は。
キーボード、こんなメロディ弾いてたのか!とか、2本のギターはこんな絡みをしていたのか!とか、そういう発見は確かにあります。
でも、それが音楽として最良だとは限らない。
既に現役じゃない音楽をいじくり回して金儲けしようとする人間の自己満足感が透けて見える感じがとても嫌です。
EMI(核爆www

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