名作エロゲ(90年代~00年代)を語らせてください! Vol.2

一部の人に大好評のこのコーナーですが。
(Vol.1はこちら
つづきいっちゃいます。

月姫

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幼い頃の事故の後遺症から、モノの壊れやすい線―――「死の線」を見る能力を持った主人公、遠野志貴。
事故から八年の間預けられていた親類の家を離れ、志貴は実家へと戻る事となる。そこで彼を待っていたのは、すでに他人のような妹と二人の使用人だった。古びた洋館での慣れない暮らしに戸惑いながら、志貴と少女達の新しい生活が始まる。
時を同じくして多発する猟奇殺人事件。その被害者は一様に全身の血液を抜かれていた。ある出来事がきっかけとなり、志貴は「吸血鬼」達の壮絶な戦いに巻き込まれていく事となる―――
純白の吸血鬼は微笑む。
「私を殺した責任、とってもらうからね」

2000年にコミケで販売された同人ゲームです。
同人ゲームでありながら市販ゲームをも上回るボリューム(テキスト量)を誇り、練りに練りこまれた独自の世界観、細かな設定が物語をより深いものにしています。
口コミでこの評判がオタク界に浸透し、あれよあれよという間に異例の大ヒットとなりました。
10万本ほどの売り上げがあったとの話も。
もちろん今現在は廃盤でして、中古市場でもウン万円出さないと買えないほどのプレミアがついています。
伝奇小説が好きな人にはたまらない一本かと。
練りこまれた世界観が支える独特な雰囲気の中で進められていく物語は、そりゃもう熱くもあり切なくもあり。
色んな意味でグッときますよ。
これをサークルレベルで作り上げるとはホント素晴らしいの一言です。
音楽も良いんだ、これが。
ささやかなアドバイスですが、双子メイド、翡翠と琥珀のルートは一番最後にやりましょう。
翡翠→琥珀の順に。
琥珀のルートは真相解明ルートでもありますので、一番最後にやるのが望ましいと思います。
その方が感動もひとしお。
いいね?お兄さんとの約束だ。

■名ゼリフ
「…物事の『死』が視えるという事は、この世界すべてがあやふやで脆いと言う事実に投げ込まれることだ。
地面なんて無いに等しいし、空なんて今にも落ちてきそう」
「何を――何の事を言っているんだ、おまえ」
「…一秒先にも世界すべてが滅んでしまいそうな錯覚を、おまえは知らない。
――それが、死を視るという事なんだ。
この目はさ、おまえみたいに得意げに語れる力なんかじゃない。
それがおまえの勘違いだ、吸血鬼。
命と死は背中合わせでいるだけで、永遠に、顔を合わせることはないものだろ」
「だから――その目で私を見るなと言っているだろう…!!」
走ってくる足音。 けど、俺のほうが何倍も早い。
「―――教えてやる。これが、モノを殺すっていうことだ」

Fate/stay night

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「聖杯戦争」。日本のとある都市「冬木市」にて数十年に一度現れるとされる、持ち主のあらゆる願いを叶える「聖杯」と呼ばれる存在をめぐって7人の「魔術師」が殺しあう儀式である。彼らはそれぞれ一人に一体ずつの、その身に強大な力と激しい聖杯戦争を戦い抜くに足る強靭な意思を秘めた意識存在と契約し、主たる「魔術師・マスター」と従者にして相棒たる「使い魔・サーヴァント」として最後の一組になるまで殺しあう事になる。
彼らにとって最優先されるべきは聖杯の入手であり、大勢の人々が彼らの戦いに巻き込まれ、死ぬ事になったとしても、それが彼らの矛を収める理由にならない。過去、最後に行われた聖杯戦争では一つの街が炎上するほどの惨事となったが、炎の中で交錯する蒼い剣士と金色の王の瞳には、互いの姿しか映っていなかった。目的の為にはあらゆる物を犠牲にする、魔術師達の欲望の集大成、それが聖杯戦争である。
冬木市に住む主人公・衛宮士郎は過去にある町で起きた謎の炎上事件の唯一の生存者であり、自分を救ってくれた魔術師に恩義と憧れを抱く青年であった。「多くの人を救える正義の味方になる」という願いを抱き、魔術を習うもその才能を見いだせず、半熟魔術師として自分に可能な範囲で夢を追いながら高校生活を送っていた。
そんなある日、士郎は謎の男にいきなり命を狙われる事になる。現代社会から激しく逸脱した身なりに、明らかに人外の力をふるって士郎を殺そうとする謎の槍使い。死を覚悟した士郎の左手が紅い光を放ち始める。それは聖杯戦争に、神聖でありながら忌まわしい儀式に参加する権利を認められた証だった。
突如、地に現れた魔方陣の中から金色の髪に碧の眼、蒼い鎧を纏った英霊が現れる。偉大な英雄の魂を具現化し、聖杯を手に入れて己が望みをかなえる為に降り立った「剣士・セイバー」の称号を冠するその少女は、静かに、混乱しつつも自分が大きな戦いに巻き込まれたことを感じ始める士郎に問い掛ける。
「―――問おう。貴方が、私のマスターか」

「月姫」を世に送り出したTYPE-MOONの商業デビュー作品です。
これも面白いよ!
さすがといったところでしょうか、あの「月姫」での持ち味だった独特の雰囲気そのままに「月姫」とは違う熱さを持った作品です。
練りに練られた細かな設定、演出も健在。
とりあえずやっときましょう!
ていうか主人公がかっこよすぎて私みたいな小物にはまぶしすぎです。
まあ多少ご都合主義なのが鼻につかないことも無いですが。

■名ゼリフ
「I am bone of my sword. 体は剣で出来ている。
Steelis my body, and fireis my blood. 血潮は鉄で、心は硝子。
I have created over athousand blades. 幾たびの戦場を越えて不敗。
Unaware of loss. ただ一度の敗走もなく、
Nor aware of gain. ただ一度の勝利もなし。
Withstood pain to create weaponswaiting for one’s arrival. 担い手はここに独り剣の丘で鉄を鍛つ。
I have no regrets.This is the only path. ならば、我が生涯に意味は要ず。
Mywholelifewas”unlimited blade works.” この体は、”無限の剣で出来ていた”。 」
■名ゼリフもう一個
「I am bone of my sword. 体は剣で出来ている。
Steelis my body, and fireis my blood. 血潮は鉄で、心は硝子。
I have created over a thousand blades. 幾たびの戦場を越えて不敗。
Unknown to Death. ただ一度の敗走もなく、
Nor known to Life. ただ一度の理解もされない。
Have withstood pain to create many weapons. 彼の者は常に独り 剣の丘で勝利に酔う。
Yet, those hands will never hold anything. 故に、生涯に意味はなく。
So as I pray, unlimited blade works. その体は、きっと剣で出来ていた。 」

Fate/hollow ataraxia

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第五次聖杯戦争の終結から半年後。
そこには再び現界したサーヴァントとの穏やかな日常が存在していた。
ありえない現実でありながら、それらに疑問を抱かない前聖杯戦争参加者たち。
繰り返される四日間と暗躍する魔術師。夜にのみ進行する新たな聖杯戦争。
空虚なる平穏の先にあるものは……?

「Fate/stay night」のファンディスクに当たる作品。
しかしながら本編のボリュームは1作品に十分に値するものです。
手抜きは一切ございません。
もはや何も言うまい。

■名ゼリフ
「分かりづらかったか?なら例えばなしをしよう。
ある場所に、世界で一番不幸な目にあっているヤツがいるとする。
ある日、アンタはそいつの事をニュースで知って落ち込んじまうんだが、それは意味のない感傷なんだ。
遠い世界の話には関れない。
自分には関りのない所で誰かに不幸な出来事が起きたとしても、あんたは笑っていろ」
■名ゼリフもう一個
「この世すべての悪などと笑わせる。
それはにんげんの総称だ。我は人間より生まれしもの。
人間である限り、君はあらゆる悪を再現可能だ。」

BALDRFORCE EXE

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ネット世界における人型戦闘ツール『シュミクラム』を操り、ハッカーとして気ままに過ごしていた主人公。
しかしハッキングチーム最後の大仕事として 軍 のデータベースをターゲットに選んだことから主人公の人生は大きく動き出す。
ネット空間内での軍とテロ組織の抗争に巻き込まれ、親友は主人公をかばい不慮の死を迎える・・・。
親友の形見に復讐を誓う主人公。
彼はそこから軍やネット警備会社、テロ組織の様々な人物と出会い、共に戦い、あるいは敵対することになる。
だが、それぞれ独立し無関係と思われた人物、エピソードは、過去に起った、ある出来事に繋がりがあったのだった・・・。
主人公は知らず知らずのうちにその繋がりを中心とした争いに深く関わり、最終的にその出来事の全貌が明らかになったとき主人公は、愛するものを救うため、自分の存在をかけた戦いを挑むことになる・・・

これもいわずと知れた名作。
これまで紹介してきたゲームと違うところは、アドベンチャーパートの他に、アクションパートが存在するというところ。
このアクションパートの評価がかなり高い作品です。
どんな感じかというと、えーと、アーマードコアってゲーム知ってます?
あれの2Dバージョンと言ったところでしょうか。
それに近接戦闘とコンボが加わったものと思ってください。
人型戦闘ロボみたいなんを操ってミッションをクリアしていくというものです。
ミッション前に装備する武器を選択出来るのですが、その武器ごとに熟練度があります。
このアクションパートがガチで面白い!
熱い!!
遠距離から弾幕張って突っ込むも良し、近接コンボで一気にたたみかけるも良し。
ゲームパッドに対応しているので、ぜひ購入しておきましょう!
もちろんこの作品の魅力はアクションパートだけに留まりません。
ストーリーもボリュームがあってなかなか素晴らしい。
幾重にも張り巡らされた伏線や、色々なルートをたどっていくうちに判明する真相、最終ルートに近づくにつれ加速する燃え!!
もうやりだしたら止まりませんよ。
最終ルート、最終決戦はもうマジで熱い!
演出は最高です。

■名ゼリフ
「大切な人のことを思い出せない・・・
この先、そんな状態が何度も君を襲うかもししれない・・・
その時は思い出すがいい・・・
君を狂わせることは何者にもできない
君自身がそう望まない限りは必ず戻ってこれる・・・」

終ノ空

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突然のクラスメートの死。
それは、世界の終わりをくい止めるための儀式だったという。
世界の終わり?
そんな事が、ありうるのだろうか?
しかし、本当であるか否かなど、そんな事は関係ない・・・。
学校という閉ざされた<場>の中で、その予言は<真>なるものとして受けいられていく。
そんな中、一人の少年が、世界の終わりを宣言する。
それは、<始まり>でも<終わり>でもない世界の到来の兆しだと彼は言う。
それこそは『終ノ空』(ツイノソラ)。
狂気に飲み込まれる、学園、あたかも、聖書の記述にある、
悪霊に憑かれた豚の群が湖に飛び込んで溺死する話のように、自ら破滅に向かっていく。
しかし、それは本当に破滅なのか?それとも・・・。
世界の終わりは、世界の非連続性に。狂気は、人間の認識の可能性に、
徐々に事件は、その意味を変えていく。
水上行人、若槻琴美、高島ざくろ、間宮卓司、
それぞれ違った認識から『終ノ空』に関わっていく、
はたして、『終ノ空』とはなんなのか?
人々の不安が生み出した妄想なのか、それとも・・・。

ではここらで息抜きに一般作品ではおおよそ色んな意味で公開できないような極悪ゲーをご紹介しましょう。
とても短いゲームです。
フルコンプには3時間もあれば大丈夫かと。
ゲームの内容を簡潔にまとめます。
「高校生がノストラダムスの予言を信じ、集団自殺するゲーム」です。
ルートごとに、それぞれ別のキャラの視点でゲームを進めていくのですが…。
主人公、ヒロインルートまではまだ普通です。
普通っていっても、ストーリーがなんかもうどうしようもないくらい破滅的なので一概に普通とも言いがたいのですが。
サブキャラルートに移ったあたりからがとんでもなくヤバイです。
妄想、幻覚、錯乱、狂気、電波の嵐です。

( ゚д゚) 「スパイラルマタイ」?

(つд⊂)ゴシゴシ

(;゚д゚) 「アタマリバース」?

(つд⊂)ゴシゴシ

(;゚д゚;) 「≒⊥?〆゛ ̄^_」?

(つд⊂)ゴシゴシ
_, ._
(;゚ Д゚) 何言ってんのか全然わかんねえよ!!!

特に卓司シナリオがスゴイ。
もう色んなもん見えちゃってます。
ゲーム全体を通して妄想、幻覚の表現は素晴らしい。
ただし、詰めが甘い部分が随所に見受けられます。
キャラクターの心理描写や人格描写が不足しているためか、ストーリー展開に無理があります。
主題と精神描写のアイデアだけが先行しているような感じです。
哲学引用の表現が多いのでそれ萌えな方にはたまらないのですが、いかんせんやりたいことだけが先行しすぎていて、置いていかれる人はもうそりゃ置いていかれっぱなしになるかもしれません。
アイデアは素晴らしいと思うので、もうちょっとそのあたりをつめて欲しかったですね。
しかしながら表現や構成のセンスは良いと思いますし、アングラな読み物として十分楽しめると思いますので、うさんくさい表現や狂気といったものに目が無い人にはぜひプレイしてもらいたいです。
音楽も絶望的で良いですよ。
あ、ついでに言っておきますが、操作システム面はかなり悪いです。
まあ短いゲームなのでそんな気にならないかもですが。


■名ゼリフ
「わかった、なら卓司くん
すてきな学園生活を送るの
素敵な彼女
素敵な友達
楽しい生活
それが何百年続く
それが何千年続く
それが何万年続く
それが何十万年続く
それが何百万年続く
それが何千万年続く
それが何億年続く
それが何十億年続く
それが何百億年続く
それが何千億年続く
それが何京年続く
それが何十京年続く
それが何百京年続く
それが何千京年続く
それでもまだ終わらないの
無限だから、ここまででも一瞬なの
これの何千倍、何億倍、何京倍しても終わらないの
終わりは絶対にこないの
素敵な彼女
素敵な友達
楽しい生活
を永久に繰り返すの…
何百年かあたりに卓司くん
この幸せな生活に嫌気が差すの
素敵な彼女を殺し
素敵な友達を殺し
楽しい生活を終わらせようとするの
でも次の朝になるとまた
素敵な彼女
素敵な友達
に囲まれた
楽しい生活が始まるの
卓司くん、はじめのうちは殺しの快感に酔いしれて
毎日、素敵な彼女、素敵な友達、を殺し続けるの
でもそれも、何百年かで飽きて
もう…
今度は自殺しようとするの
卓司くんは死ぬの
でも次の瞬間には
素敵な彼女
素敵な友達
に囲まれた
楽しい生活が始まるの
そして、卓司くんは発狂するの
でも強制的にしあわせになるため
精神は普通の状態に戻されるの
それからも
素敵な彼女
素敵な友達
楽しい生活
は永遠に続くの
永久に… 」
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今日はここまで!

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